Ma Vie en Kimono / by Rui Kikuchi

 着付けを始めたのは3年前のこと。

私に着付けを教えてくれた栄子さんはすごく親切してくれたため、なんとしても早く着れるようになりたかった。

栄子さんはお母様から教わったらしく、クリップ、○○ベルトなど着付け用の道具は一切使わない、鏡も見ない、半畳で着れる結構スパルタ法。本当は襟芯もいらないとおっしゃってたお母様。

余計な道具に頼らない、自分の感覚を信じる最も自然な着付け方法やと思う。

着物は出会いやな。

もし着付け教室へ通っていたら辞めてたかもしれへん。こわーい完璧主義先生にいろんな道具を買わらせたら諦めて落ち込んでたわ。

確か、自分で夜中まで泣きながら特訓を毎晩続けた。最初は腕が後ろに回れへんし、汗をかきながら何度も挫折した。

でもそれは1週間だけ。

 完璧を達成したわけでなかったけど、ある峠を越えたら、えーい、一か八かと思い、ドキドキしながら二条城の桜ライトアップを一人で行ってみた。

初めての着物出かけで興奮して、帰りの途中栄子さんに早速電話で報告した。いきなりの電話にびっくりする栄子さんはご主人と爆笑と大喜び。

服を着ることでこんなに幸せになれるんや。着崩さず走って帰れた。

その後、一重太鼓から二重太鼓の帯結びに着々と進ませてくれて、一緒に京都中のお茶会などイベントへ連れてってくださる。

それで、ご家族の着物まで譲ってくださったり、面識のない方々からも、不思議なきっかけで次々とコレクションが増えていく。

「人に着せてもええで。」と割と早く認めてくださって、お茶のクラスメートの着付けをしてあげるようになった。

 始めてから徐々にコツを自分で気づいてきて、今日も研究中。でもこの3年で着る服は完全に和装化する触媒は和裁士の清丸さん。

アトリエでパーティした時に着物で来てくれ、お帰りの際に上前をクリップで留め、ママチャリにひょっと乗る。

「ええ?チャリに乗れるの??」と驚き、彼女を引き止めた。

「スカートと同じやん。」と当たり前のように言われて、ガッテン。

BD—1に乗っている私は一度モンペでまとめてから乗らないといけへんけど、バスに乗らなくてもオールシーズンどこでも着物でいける。雨の日はレインスーツで天気関係なくいつも着物でお茶のお稽古へ。

お茶の先輩たちは「熱心やな」と、笑いながら褒めてくれる。

だって、着物は着たいと思ったらどこにでも着て行ける。お友達とのお出かけ、パーティ、講演会、お買い物、映画鑑賞、美術館、などなど。

 そう、和装化してから洋服を一枚も買ってへん。普段着は作務衣やら、古着をアレンジしたなんちゃって和裁の自制のものもある。

着物着たら自分らしい格好ができるの嬉しい。色と柄合わせも楽しいし、京都の文化の生活に取り入れるプライドを持てるし、

着る物で人からポジティブな反応をいただくのは嬉しい。服を着るだけで周りの人はこんなに幸せにできるんや。

 それで、2年前からうちのクリスくんも和装を着るようになった。

栄子さんのおじいさまの着物を譲ってもらい、自分でYouTubeを検索して独学してん。日本に住み始めた頃は居合道をやっていたため、袴も綺麗に着れるんでバッチグー。。

白人やのに、超似合うねん。

ちょんまげとひげやし、

トムに似てんねん。

出掛けたらいつも知らん人に褒められるし喜ぶねん。

袴を着ているからか、とても自然に動いているからか、レンタルと誤解されなく、地元の人やと認められてる。

 服を着るだけでこんなにハッピー。

 和装生活をもっと広めたいなと思う。手縫いの質感も良いし、生地も好き。日本の歴史でつい最近まで普通に着られていた日本人は着物にもっと馴染んでくれるように何かできんかな。栄子さんへの恩返し、これからの課題ですわ。